住宅を選ぶ際、多くの人が悩むテーマの一つに「賃貸と持ち家、どちらがいいか？」という問題があります。

ガレージハウスも同様に「賃貸ガレージハウスを借りる」方法と「自らガレージハウスを建設して持ち家として所有する」方法とがあり、どちらの形態が優れているかという判断は人によって異なることでしょう。「いつかはガレージハウスを建てたい！」と目論んでいる方も、 長い目でライフプランを検討してみると、じつは賃貸ガレージハウスでの暮らしのほうが合っている、ということも。将来的にどんなガレージライフを送りたいかをよく考え、それぞれしっかりと比較した上で、自分に合ったガレージハウスのあり方を選択したいものです。今回は、ガレージハウスを賃貸で借りる場合と、ガレージハウスを建て持ち家として所有する場合の2つの方法を、メリット・デメリット、コストの面から比較していきます。自分に合ったガレージハウス選びの参考にしてください。

賃貸ガレージハウスか？ 持ち家ガレージハウスか？という選択肢

ガレージハウスとは、車庫と居住スペースが一体となった建物。車やバイクを大切に保管しながら暮らすことができるので、車・バイクの愛好家にとっては憧れの存在です。最近では車やバイクの保管だけでなく、DIYなど趣味の拠点やアーティストのアトリエ、キャンプなどのアウトドア用品のストレージ、ワークスペースとしてなど、幅広い用途での活用が拡がり、幅広い世代から人気を集めています。

ガレージハウスというと、以前は一戸建てや注文住宅のイメージが強く、持ち家として検討するしかないものと思われていました。しかし近年、1階がガレージ、2階が居住スペースのメゾネット式ガレージ付賃貸住宅「賃貸ガレージハウス」が登場し、全国的に増えたことによって、賃貸でもガレージハウスを気軽に借りられるようになりました。

賃貸ガレージハウスを借りるか？ 持ち家ガレージハウスを建てる（もしくは購入する）か？という選択肢から、選べるようになったのです。

賃貸ガレージハウス VS 持ち家ガレージハウス メリット比較

では、賃貸ガレージハウスと持ち家ガレージハウス、それぞれどのようなメリットがあるでしょうか？比較してみましょう。

賃貸ガレージハウスの大きなメリットは、気軽に引越しが可能な点。収入に合わせて家賃を調整したり、住む地域を変えたり、新しい物件に住み替えるなど、ライフステージやその時々の状況に応じて住み替えることができます。また、コストの項目でも説明しますが、持ち家ガレージハウスよりも大きな金額の初期費用はかからないのも魅力。空き物件さえあれば、一時的に借りたり、複数の地域で借りたり、収入が少なくなったら解約するなど、フレキシブルな利用ができるのは大きなメリットでしょう。

さらに、持ち家の場合は建物や設備などのメンテナンスを自分で行わなければなりませんが、賃貸ガレージハウスの場合は建物や設備のメンテナンスは基本的にはオーナーさんと管理会社が行ってくれます。最近ではセカンドハウスとしてガレージハウスを活用する人も増えているようですが、メンテナンスを行うために自らが定期的に訪れなければならなかったり、トラブルがあった際にすぐに対応できなかったりします。賃貸ガレージハウスであれば基本的にはオーナーさんや管理会社が物件を見守ってくれている安心感を感じることでしょう。

一方、持ち家ガレージハウスの大きなメリットは、なんといっても自由度が高く、自分の思い描くオリジナルのガレージハウスが建てられる点。ライフスタイルや家族構成などに合わせて間取りや内装、設備などを設計できるので、車やバイクの台数に合わせてガレージスペースを設計したり、部屋の位置を調整することも。使い方が変わったらリフォームすることもできます。また、資産として残ることも大きな魅力。賃貸の場合はいくら払い続けても自分のものにはなりませんが、持ち家ガレージハウスの場合は自分の所有物件になるので、住居費の負担が軽くなるだけでなく、賃貸や売買することも可能です。

賃貸ガレージハウス VS 持ち家ガレージハウス デメリット比較

賃貸ガレージハウスと持ち家ガレージハウスのデメリットはどうでしょうか。それぞれのデメリットを見てみましょう。

賃貸ガレージハウスのデメリットとしては、資産にならない点。借りている期間ずっと家賃を支払い続けなければならない上に、自分のものにはなりません。もともと、賃貸ガレージハウスは一般のアパート・マンションに比べて家賃が高い傾向にあります。そんな賃貸ガレージハウスを何十年と借り続けた場合、持ち家を買うのと同じかそれ以上の賃料を払い続けることになる可能性も。ずっと同じ場所（エリア）で定住したいという方には持ち家を建てたほうがメリットが大きいケースもあります。

持ち家ガレージハウスのデメリットは、かんたんに住み替えができない点。住宅ローンの返済期間中は売却や賃貸をしたい場合にも複雑な手続きが必要となり、気軽に引っ越せなくなります。「ライフスタイルが変わったから別の地域に住みたい」「収入が少なくなったから家賃の安いところに引っ越そう」と思っても、なかなかそうはいかないのです。また、購入後は固定資産税や都市計画税、建物や設備機器の修繕費などの維持費もかかってきます。 住宅ローンの返済に加え、早い段階からの修繕費の積み立てなど計画的な費用の準備が求められます。

また、賃貸ガレージハウスの場合は修繕や物件の管理はすべてオーナーさんが行ってくれますが、持ち家ガレージハウスの場合は建物や設備のメンテナンスをすべて自分で管理しなければなりません。住宅はこまめに手入れをしなければ劣化しやすくなってしまうもの。とくに10～15年ほど経つといろいろな箇所の劣化が気になってくると言われており、修繕のたびに費用もかさみます。家のメンテナンスを自分でやるなんて面倒、という方には持ち家ガレージハウスは負担かもしれません。

賃貸ガレージハウス VS 持ち家ガレージハウス コスト比較

賃貸ガレージハウスと持ち家ガレージハウスでは、コストの面から見るとどう違うでしょうか。それぞれ、初期にかかる費用項目と住んでいる間にかかってくる費用項目を見てみましょう。

＜賃貸ガレージハウスにかかるコスト例＞

●初期費用

●ランニングコスト（月々）

●ランニングコスト（更新月）

＜持ち家ガレージハウスにかかるコスト例＞

●初期費用

●ランニングコスト

たとえば、家賃15万円の賃貸ガレージハウス物件を借りた場合、初期費用は77万円、ランニングコストの月々は15万円、更新付月には17万円かかってくる計算になります。仮に10年借りた場合は総額1,962万円、20年借りると3,924万円という計算になります。

一方で、持ち家ガレージハウスの場合、地域や土地の広さによって金額に幅が出てしまうため、厳密な費用の算出は難しいものですが、たとえば、相模原市（神奈川県）にあるガレージ2台分のシャッター付きガレージスペースがある2階建ての一軒家では、中古でも4,000万円以上。新築で建てる、立地や建物のスペックをよりよくしようとすれば、さらに費用がかかってきます。一方、地価が低く土地の広さにも余裕がある地方であれば、ガレージ付きの物件はより手に入れやすいでしょう。総額で比較する場合は、地域や土地の条件にもよるものがかなり大きいと言えます。

また、初期費用の観点では、持ち家ガレージハウスで住宅ローンを組む場合、頭金や住宅ローンの諸費用がかかってきます。一般的に諸費用だけでローン金額の5～10％と言われているので、たとえば3000万円のローンを組む場合、150～300万円程度は用意しておかなければなりません。初期費用においては賃貸ガレージハウスのほうが借りやすさはあるでしょう。

また、ランニングコストの観点では、賃貸ガレージハウスは毎月の家賃の支出に加え、更新月においては更新費用と火災保険料がかかってきます。また、退去する際には原状復帰のためのクリーニング代や引っ越し費用もかかります。一方、持ち家ガレージハウスの場合、購入後は住宅ローンの返済以外に固定資産税や都市計画税、建物や設備機器の修繕費などの維持費がかかってきます。ただ、自分の所有物なので、売却したり賃貸に出したりでき、資産として活用できるのは持ち家ならではの大きなメリットです。

まとめ

今回は賃貸ガレージハウスと持ち家ガレージハウスのメリットやデメリット、費用の面から比較しました。理想のガレージハウスを建てたい場合や資産としての所有を考えると持ち家ガレージハウスに軍配が上がりますが、いつでも住み替えられる手軽さを考えると賃貸ガレージハウスのほうが優位になります。自分らしいガレージライフを叶えるためにも、今のライフスタイルだけでなく長期的な視点で暮らしを考え、ぜひあなたらしいガレージライフを始めてみませんか？

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